2026/08/05

2026年度日本水産工学会 春季シンポジウム 開催報告

 

 

 2026年度日本水産工学会学術講演会2日目の6月21日午後、伊東市観光会館において、2026年度日本水産工学会春季シンポジウム「漁業研究から漁業生産システムへ―要素研究とシステムの接続を考える―」が開催されました。
 本シンポジウムでは、漁具、漁船、魚群行動、ライフサイクルアセスメント(LCA)、現場モニタリング、シミュレーションなど、水産工学を構成する各分野の研究成果について講演をいただきました。その上で、総合討論では要素研究と漁業生産システムの関係性について広く議論が行われ、現在の漁業生産システムそのものを将来に向けてどのように捉え直すべきかについても検討されました。

 開会にあたり、日本水産工学会松下吉樹会長から挨拶がありました。続いて、コンビーナーの高橋勇樹氏(北海道大学)が、本シンポジウムの開催趣旨について説明しました。

 講演者および講演タイトルは、以下の通りです。

 

座長:高橋勇樹(北海道大学)
・鈴木勝也(日東製網株式会社)
 「漁具シミュレーション研究の現場活用について」
・三好 潤(水産研究・教育機構水産技術研究所)
 「漁業生産を支えるプラットフォームとしての漁船研究」
・米山和良(北海道大学)
 「魚群行動データを活用した漁業生産の高度化および展開の可能性」

 

座長:米山和良(北海道大学)
・渡邊一仁(石巻専修大学)
 「漁業へのLCAの適用と環境負荷の定量」
・富安 信(北海道大学)
 「漁業現場でのモニタリング研究~ケーススタディをどう接続するか?」
・高橋勇樹(北海道大学)
 「漁業生産システム研究のレビューと現在の取り組み」

 

 各講演では、漁具シミュレーションの現場利用、次世代漁船の設計、魚群行動データとシミュレーションの融合、漁業における環境負荷の定量化、モニタリング研究で得られた個別事例の一般化、漁業生産システムモデルの現状と課題などが紹介されました。これらを通じて、個別の技術やデータを高度化することに加えて、漁業生産全体の中でその役割や効果を評価することの重要性が示されました。

 講演後には、田丸修氏(EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)を座長として総合討論が行われました。討論では、そもそも水産業のあるべき姿や評価軸、異なる時間・空間スケールを持つデータやモデルの統合、加えて研究成果を社会実装につなげるための課題などについて、講演者および参加者の間で意見交換が行われました。
 シンポジウムへの参加者数は計41名となり、参加者からも質問や意見が寄せられました。漁業生産システムを俯瞰的に捉え、将来の水産工学研究や漁業そのものがどのような方向を目指すべきかについて、議論を深める機会となりました。
 最後に、日本水産工学会企画担当の伊藤理事より次回の秋季シンポジウムの案内があり、盛会のうちに閉会しました。

 

※本シンポジウムの開催の様子は、2026年6月23日に伊豆新聞に掲載されました



春季シンポジウム登壇者の皆様
上段左より 松下会長, 鈴木勝也氏(日東製網),三好 潤氏(水産研究・教育機構 水産技術研究所)
中段左より 米山和良氏(北海道大学),渡邊一仁氏(石巻専修大学),富安信氏(北海道大学)
下段左より 髙橋勇樹氏(北海道大学),田丸修氏(EYストラテジー・アンド・コンサルティング),伊藤企画担当理事

 


総合討論の様子

 


会場の様子

 

 

 

 

カテゴリ:日本水産工学会の行事